妻に癌であることの告知。
無事手術も終わり、入院生活が始まりました。
しかしとても気になっていたのが、手術中に先生が気づき切除してくれた肝臓のしこり。検査は1週間ほどかかるとのことでした。
その一週間は本当に気が気じゃなく。ただただ、肝臓のしこりが転移ではないことを祈り続けました。
一週間後・・・・
しかし現実は違い、先生から告げられました。
「肝臓に転移がありました。ステージは4です」
「生命への危険度はどれくらいなのですか?」
「何も治療をしなければ余命1年です」
正直何を言われたのか今でもはっきり覚えていません。それだけ何が何だかわからない状態になっていました。
「余命1年??」それは僕にとっては映画の中の世界でしかなく、「僕はこれからどうしたらいいんだ?」「二人の子供たちはどうすればいいのだ?」など頭の中をぐるぐるとかけ巡りました。
癌の告知は私が言います。
「妻への説明はどうしたらいいですか?」の問いに関しては、
「家族の方が言うより、僕から説明して方がいいでしょう。明日僕から本人に伝えます。」
翌日夕方妻のところへお見舞いに行きました。
「先生から聞いた?」
「うん。そうなんだ・・・」
「大丈夫か?」
「うん。でもわからないよ・・・・」
などの会話をしているうちに僕は自然と目から涙があふれだしてしましました。
正直妻に涙を見せたことは一度もありません。また泣くなんてことはほとんど僕の記憶の中にはないことでした。
妻も僕の姿を見て、何が起こっているかわからなかったと思います。
手術をした先生からは肝臓に転移していたこと。癌の状態がステージ4であることなど詳細な説明はしておらず、ただ「実はね~癌だったんだよね」 という感じでの説明だったようです。